腎臓②:腎臓の働き

この記事では
腎臓①:腎臓の役割と構造
続きとして

腎臓の働きについて
解説しています。

腎臓の働き

腎臓は

・ろ過
・再吸収

という2つの
連続する働きをとおして
尿をつくります。

ろ過と再吸収の原理を
簡単に説明すると

体にとって
必要なものと不要なものを区別せずに
血液中から取り出し(ろ過)

必要なものは
後から血液中に戻す(再吸収)

ということです。

例えて言うなら

机の引き出しの中を
大掃除するときに

とりあず中身を
全て取り出して

後から
必要なものだけを
引き出しの中に戻す

というような
原理になっているのです。

では
ろ過と再吸収について
順番に解説していきましょう。

ろ過

腎動脈を経て
腎臓へ入った血液は
やがて糸球体に達します(下図)。

血液が糸球体へ

糸球体を構成する
毛細血管の壁には
小さな孔(あな)が沢山あります。

このため
糸球体では

血液の成分のうち
毛細血管の壁の孔を通れる
小さな物質が

ボーマンのう へと
こし出されるのです(下図)。

ろ過の様子

このように

血液の成分のうち
小さな物質が

糸球体からボーマンのうへ
こし出される働きのことを

ろ過

といいます。

また

ろ過によって
ボーマンのう へ
こし出されたものを

原尿(げんにょう)

といいます。

では
血液の成分のうち
どの物質がどの程度

ボーマンのう へ
こし出されて原尿となるのかを
説明しましょう。

ヒトの血液は

細胞である血球と
液体である血しょう

からなります(下図)。

ヒトの血液の図

血しょうに含まれる
物質のうち

腎臓の分野で
取り上げられやすいものは
以下の物質です。

・水
・タンパク質
・グルコース
・イオン
・老廃物(尿素など)

これらの成分のうち

血球とタンパク質は

糸球体の毛細血管にある
孔よりも大きいため

ボーマンのう へ
こし出されずに
血管内に残ります。

この様子を
模式図で描いて
みましょう。

まず
糸球体の毛細血管を
1本と考えて

糸球体とボーマンのう
の図を描くと
下図のようになります。

糸球体とボーマンのう

糸球体の毛細血管には
小さな孔が
あいています(下図)。

毛細血管の孔

この図に、血液中の
血球とタンパク質を
描き加えてみましょう(下図)。

血球とタンパク質

 ※タンパク質の図は実際よりも
  大きく描いてあります。

このように

血球とタンパク質は
毛細血管の孔を通れず
血液中に残るのです。

一方

血球とタンパク質以外の
血液成分である

水、グルコース
イオン、老廃物などは

毛細血管の孔を通って
ボーマンのう へこし出され
原尿となります(下図)。

水などのろ過

この時に
こし出され
きれなかった成分は

血球とタンパク質と共に
血液中に残ります。

このように
血液の成分と
原尿の成分の違いは

血球とタンパク質が
血液には含まれ
原尿には含まれない

ということだけ
なのです(下図)。

血液の成分と原尿の成分

原尿には
体にとって不要な物質(老廃物)
だけでなく

必要な物質(グルコースなど)も
含まれます。

次の項目では

原尿から
体にとって必要な物質を
回収する働きを見ていきましょう。

再吸収

原尿は
ボーマンのう に続く
細尿管と集合管を通ります(下図)。

原尿の移動

細尿管と集合管において

特定の物質を
原尿から毛細血管内の血液へと
戻す働きのことを 

再吸収

といいます(下図:黒の太矢印)。

再吸収

また

原尿が
細尿管と集合管での再吸収を
受けて生じた
液体のことを

尿

とよびます(下図)。

原尿から尿ができる

では
原尿の成分のうち

どの物質がどの程度
再吸収されるのかを
説明しましょう。

細尿管では主に

・水
・グルコース
・イオン

が再吸収されます。

また
集合管では主に

・水

が再吸収されます。

それぞれの物質が
どの程度が再吸収されるのかを
見ていきましょう。

原尿中のグルコースは
全て再吸収されます。

水とイオン類は
体液の状態に応じて
再吸収量が変わりますが

水の場合は、ふつう
原尿中の水の約99%が
再吸収されます。

例えば
成人の腎臓の場合

ろ過で生じる原尿量は
1日に約170Lです。

水の再吸収量が
調節される結果

生じる尿量の範囲は
1日に約1~2Lとなり

原尿中の約99%の水が
再吸収されることになります。

このように
多くの水が再吸収される
一方で

尿素などの老廃物は
再吸収されにくいため

濃縮されて
尿の成分として
排出されるのです。

例えば

原尿中の尿素の
質量パーセント濃度(%)は
約0.03%ですが

尿中の尿素の
質量パーセント濃度は
約2%です。

2÷0.03 ≒ 67なので
尿素は67倍に濃縮されて
効率良く排出されるのです。

血液、原尿、尿の
成分の違いを
まとめておきましょう(下図)。

血液、原尿、尿の成分

さて、ここまで
ろ過と再吸収によって
尿をつくり

老廃物を排出する
働きを解説してきました。

最後に

体液の水分量とイオン濃度を
調節する働きについて
解説しましょう。

体液の水分量とイオン濃度の調節

体液の水分量と
イオン濃度は

主に水の再吸収量を
変えることで調節されます。

水の再吸収は
細尿管と集合管の両方で
行われますが

体液の水分量は

集合管での水の再吸収量

を変えることで
調節されるのです。

例えば
水だけを沢山飲むと

体液の水分量が
過剰に増えて
イオン濃度は低下します。

すると、集合管での
水の再吸収量が減少して
尿量が増えます。

その結果
より多くの水が尿として
体外へ排出され

体液の水分量と
イオン濃度が適切な
状態に戻るのです。

このように
私たちヒトの腎臓は

約200万個の
ネフロンによって

毎日、約170L(※)もの
血液をろ過する働きと

それに付随する
再吸収の働きによって

血液の成分を
適切な状態に保ち
恒常性を支えているのです。

※170Lは、500mLの
 ペットボトル340本分(下図)。
340本

 

次の記事「腎臓③:基礎知識の確認、濃度と密度、濃縮率の計算
につづきます。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です