ヒトの体温調節

mokuji

1:体温調節

恒温動物の体が
体温を一定の範囲内に
保とうとする働きのことを

体温の調節

といいます。

日常生活の中では
私たちが意識しない間に
体温が変化しうる時が沢山あります。

直射日光に当たっていた
ペットボトルの飲み物が熱くなるように

日に当たっていると身体は

温められます。

起床してすぐの布団が温かいのは
体の熱が体外に出ていったためです。

そのような中であっても
身体が温まりすぎたり
冷えすぎたりしないのは、

私たちが知らない間にも
常に体温の調節が行われて
いるためなのです。

体温の調節では、
間脳の視床下部が
中枢として中心的な役割

果たしています(下図)。

視床下部

体温調節はまず、

間脳の視床下部が
体温の変化を感知する
こと

から始まり、

自律神経系と内分泌系が
協調して働きます。

その結果として、

①体外への放熱量
②体内での発熱量


の2つが変化して
体温が調節されるのです。

この記事では
ヒトの体温調節の
仕組みを解説します。

まずは、より複雑な仕組みをもつ
体温が低くなった時の調節から
見てみましょう。

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2:体温が低くなった時

寒い場所にいるなどして
体の熱が奪われると
皮膚や血液の温度が下がります。

皮膚や血液の温度の低下は
間脳の視床下部によって感知
されます(下図)。

間脳視床下部の部位を示した図

その後、
①体外への放熱量が減る
②体内での発熱量が増える
という2つの現象が起こって
体温が上昇します。

順番に解説しましょう。

①体外への放熱量が減る


視床下部は、交感神経を介して
皮膚の血管を収縮
させます(下図)。

交感神経が皮膚血管につながる図

その結果、皮膚の中を
流れる血液の量が減ります。

もしも冷たい外気に接している
皮膚の中を温かい血液が
多く流れていたら

身体の熱が血液を介して、
どんどん外気に奪われて
しまうことでしょう(下図)。

太い血管から熱が奪われる図

皮膚の血流量が減ることで
身体の熱が外気に
奪われにくくなるのです(下図)。

血管が細い図

獣毛があってよかった。

ボンボ
ボンボ

②体内での発熱量が増える


視床下部は、交感神経を介して
肝臓の代謝を活発にします(下図)。

交感神経が肝臓に繋がる図

その結果、肝臓での
発熱量が増えます。

発熱する事だけで例えるなら、
体温程度の巨大なカイロが
体内にあるようなものです。

とはいえ、肝臓だけが
温まるわけではありません。

視床下部は、交感神経を介して
心臓の拍動も活発にします
(下図)。

心臓に交感神経がつながる図


これによって、温まった血液の
全身への循環が促されるのです。

よく出来てるなぁ~

ボンボ
ボンボ

さらに、内分泌系(ホルモン)の
働きが後押しをします。

視床下部が交感神経を介して
副腎髄質に働きかけます(下図)。

副腎髄質に交感神経がつながる図


すると、
副腎髄質の細胞から血液中に
アドレナリンが分泌されます。


アドレナリンは
血液の流れを介して
肝臓と心臓に作用し、


肝臓の代謝と心臓の拍動を

促進するのです(下図)。

アドレナリンが心臓と肝臓に作用する図

そして、まだ他にも
ホルモンの作用があります!

うへぇ~汗

ボンボ
ボンボ

間脳の視床下部から
放出ホルモンが分泌されて
脳下垂体前葉に作用します。
(下図右上)

脳下垂体前葉に作用している図

すると、脳下垂体前葉から
甲状腺刺激ホルモンが分泌され
甲状腺に作用
します(下図)。

甲状腺刺激ホルモンが放出されいる図

そして、甲状腺から
チロキシンが分泌されて
肝臓の代謝を促進する
のです(下図)。

チロキシンが作用する図

チロキシンの話は
前にも聞いた気がする。

ボンボ
ボンボ

そうですね。

体温調節の話は
実は、新しい知識は少なく

『自律神経の話』
『チロキシンの話』などで
解説したことの総合なのです。

さて、やや複雑でしたが、
中心的な働きをしている中枢は
間脳の視床下部である
ことと、

交感神経とホルモンが
協調して働いている
ことが
理解できたのではないでしょうか。

次の、体温が高くなった時の調節は
ずっとシンプルですが

注意点があります。

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確認問題1

体温を上げる仕組みを描いた
下図の空欄①~⑤に入る名称を
以下から選んで答えなさい。

インスリン、アドレナリン、グルカゴン
チロキシン、交感、副交感

甲状腺刺激ホルモン、放出ホルモン

図に空欄がある


 

解答は、すぐ上の解説の図を参照。

3:体温が高くなった時

暑い場所にいるなどして
体温が上昇すると、

体温の上昇は
間脳の視床下部に感知されます(下図)。

間脳視床下部の部位を示した図

そして、以下の仕組み(①と②)が働きます。

①体外への放熱量が増える

交感神経の働きが “抑えられて”
皮膚の血管が拡張
します。
※下図:働きが抑えられた交感神経を
 細い線で描いている。

交感神経が抑制されいる図

すると、皮膚の中を流れる
血液の量が増えます。

結果として、血液を介して
身体の熱が体外へと
逃げやすくなるのです(下図)。

血管が太くなると熱が逃げやすいことを描いた図

体温が下がった時と逆だね。

ボンボ
ボンボ

そうです。

加えて、視床下部が
交感神経を介して汗腺に
働きかけることで
発汗が増えます(下図)。

汗腺に交感神経がつながる図

すると、汗が蒸発する時に
皮膚表面の熱を奪っていくのです。

さっきは、交感神経が
抑えられてたのに。。。

ボンボ
ボンボ

ここは注意点なのですが、
皮膚の血管とつながる
交感神経の働きは抑えられて、

汗腺とつながる

交感神経は働くのです。

さて、次で最後です。

②体内での発熱量が減る

視床下部は、副交感神経を介して
肝臓の代謝を抑え、また、
心臓の拍動を減少させます(下図)。

副交感神経が心臓と肝臓につながる図

先ほど解説した
体温を上げるしくみとは
真逆の現象で、

副交感神経を介している

という点に注意しましょう。

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確認問題2

以下の①~⑤に入る語句を
答えなさい。

ヒトの体温調節の中枢は
間脳の(①   )である。

体温を上げる仕組みでは、
(②   )神経を介して肝臓の代謝や
心臓の拍動を活発にする。

体温を下げる仕組みでは、
(③   )神経を介して発汗が促進される。
皮膚の血管に分布する(④   )神経の
働きは抑えられ、皮膚の血流量が増える。
また、(⑤   )神経の働きで
心臓の拍動は減少する。



解答

ヒトの体温調節の中枢は
間脳の(①視床下部)である。

体温を上げる仕組みでは、
(②交感)神経を介して肝臓の代謝や
心臓の拍動を活発にする。

体温を下げる仕組みでは、
(③交感)神経を介して発汗が促進される。
皮膚の血管に分布する(④交感)神経
働きは抑えられ、皮膚の血流量が増える。
また、(⑤副交感)神経の働きで
心臓の拍動は減少する。

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