『生物基礎』チロキシンとパラトルモンの働き

チロキシン

チロキシンの働き

チロキシンは

甲状腺(こうじょうせん)

と呼ばれる内分泌腺から分泌される
ヨウ素を含むホルモンです。

甲状腺は、首の前側の付根、
ちょうど左右の鎖骨にはさまれた
辺りにあります(下図)。

甲状腺

チロキシンには

・全身の細胞の代謝を促進する
・身体の成長を促進する

という働きがあります。

チロキシンの分泌調節

血液中のチロキシンは
利用されることで
その濃度が低下していきます(下図)。

チロキシン濃度が低下

血液中のチロキシン濃度が低下すると
間脳にある視床下部が感知して
神経分泌細胞から

甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン

というホルモンを分泌します(下図点線)。

甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌

甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンは
血流によって脳下垂体前葉へと
運ばれます(下図点線)。

甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが脳下垂体前葉へ

すると
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用で
脳下垂体前葉から

甲状腺刺激ホルモン

というホルモンが
分泌されるのです。

甲状腺刺激ホルモンは
血流によって甲状腺へと
運ばれます(下図)。

甲状腺刺激ホルモンの分泌と移動

そして
甲状腺刺激ホルモンの作用で
甲状腺からの

チロキシン

の分泌が促進されるのです(下図)。

チロキシンの分泌

逆に
血液中のチロキシン濃度が
上がってくると

視床下部と脳下垂体前葉が
それぞれチロキシン濃度の
上昇を感知します。

その結果

甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンと
甲状腺刺激ホルモンの分泌が
抑制されます(下図:負のフィードバック)。

チロキシンの負のフィードバック

その結果
甲状腺からのチロキシンの
分泌も抑制されるのです。

やがて
血液中のチロキシン濃度が
低下すると

再び、前述の過程が
繰り返されます。

このようにして

チロキシンの濃度は
高すぎたり低すぎたりしないよう
調節されているのです。

では次に
甲状腺のすぐ近くにある
内分泌腺から分泌される

パラトルモンというホルモンの
働きと分泌調節を解説しましょう。

パラトルモン:血液中のカルシウムイオン濃度の調節

カルシウムの役割

私達の体内での
カルシウムの役割は
何でしょうか?

「カルシウムと言ったら骨の材料だ。」

もしかすると
あなたは、そんな風に
思ったかもしれません。

もちろん、
その通りです。

実際、体内にあるカルシウムの
約99%は、骨の成分として
存在しています(下図)。

体内のカルシウム分布

でも、残りの約1%のカルシウムは
骨以外の部位にあり
また別の役割を担っているのです。

骨以外の部位にある
カルシウムのうち
代表的なものに

血液に溶けている
カルシウムイオンがあり

血液のカルシウムイオン濃度が
適切に保たれることは
体の働きにとって重要です。

例えば

カルシウムイオンは
筋肉を自由に動かすことに
関係していますが

血液のカルシウムイオン濃度が
高いすぎると
筋力の低下につながり

逆に、濃度が低すぎると
筋肉が固まって動かせなく
なってしまいます。

どのようにして
血液中のカルシウムイオン濃度が
適切に保たれるのでしょうか。

それを、解説していきましょう。

血液中のカルシウムイオン濃度を保つしくみ

血液中のカルシウムイオン濃度は

パラトルモン

と呼ばれるホルモンによって
調節されています。

パラトルモンは
骨のカルシウムを血液中へ
溶け出させることで

血液中のカルシウムイオン濃度を
上げる働きをする
ホルモンです。

内分泌腺である

副甲状腺(ふくこうじょうせん)
から分泌されます。

まず、副甲状腺の位置を
確認してみましょう。

下図は
前項(チロキシンの分泌調節)で扱った
甲状腺の模式図です。

甲状腺

この甲状腺の背中側には
豆粒のような形の構造物があり、
副甲状腺とよびます(下図)。

副甲状腺

カルシウムイオンの摂取不足などによって
血液中のカルシウムイオン濃度が
適切な濃度よりも低くなると

副甲状腺から
パラトルモンが分泌されて

血液中のカルシウムイオン濃度が
上昇します(下図)。

パラトルモンの分泌

そして、
血液中のカルシウムイオン濃度が
高くなってくると

負のフィードバックの
仕組みによって

副甲状腺からの
パラトルモンの分泌が抑制され

カルシウムイオン濃度の上昇が
抑えられるのです(下図)。

パラトルモンの分泌の負のフィードバック

このように
パラトルモンの働きと
分泌量調節によって

血液中のカルシウムイオン濃度は
適切に保たれているのです。

確認問題1(チロキシン)

問1 以下の文中の空欄①では
適する語句を選び、空欄②③では
適する語句を答えなさい。

チロキシンは
(①鉄、ヨウ素、カルシウム)
を含むホルモンであり

全身の細胞の(②   )や
身体の(③   )を促進する働きがある。

問2 以下の空欄に適する語句を答えなさい。

血中のチロキシン濃度が下がると
間脳にある(①      )から
(②      )放出ホルモンが分泌される。

(②)放出ホルモンは
血流にのって(③        )(下図)
に作用する。

確認問題1の問2③

(③)からは(④        )が分泌され
これが(⑤     )(下図)に作用して

確認問題1問2⑤

チロキシンが分泌され
血中のチロキシン濃度が上昇する。

血液中のチロキシン濃度が
高くなってくると

(①)と(③)からのホルモンの
分泌が抑制されて
チロキシン分泌も抑制される。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

解答

問1

チロキシンは
(①ヨウ素)
を含むホルモンであり

全身の細胞の(②代謝 ※化学反応でも可)
身体の(③成長)を促進する働きがある。

問2

血中のチロキシン濃度が下がると
間脳にある(①視床下部)から
(②甲状腺刺激ホルモン)放出ホルモンが分泌される。

(②甲状腺刺激ホルモン)放出ホルモンは
血流にのって(③脳下垂体前葉)(下図)
に作用する。

確認問題1の問2③

(③脳下垂体前葉)からは(④甲状腺刺激ホルモン)が分泌され
これが(⑤甲状腺)(下図)に作用して

確認問題1問2⑤

チロキシンが分泌され
血中のチロキシン濃度が上昇する。

血液中のチロキシン濃度が
高くなってくると

(①視床下部)と(③脳下垂体前葉)からの
ホルモンの分泌が抑制されて
チロキシン分泌も抑制される。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

確認問題2(パラトルモン)

以下の空欄に適する語句を答えなさい。

パラソルモンは
血液中の(①      )イオン濃度を
上げる働きをするホルモンである。

血液中の(①)イオン濃度が
適切な濃度よりも低くなると

(②       )(下図)から
パラトルモンが分泌される。

確認問題2②

その結果
血液中の(①)イオン濃度が
上昇する。

血液中の(①)イオン濃度が
高くなってくると

パラトルモンの分泌が抑制され
(①)イオン濃度の上昇が
抑えられる。

ホルモン分泌調節にみられる
このような仕組みを
(③)のフィードバックという。

解答

パラソルモンは
血液中の(①カルシウム)イオン濃度を
上げる働きをするホルモンである。

血液中の(①カルシウム)イオン濃度が
適切な濃度よりも低くなると

(②副甲状腺)(下図)から
パラトルモンが分泌される。

確認問題2②

その結果
血液中の(①カルシウム)イオン濃度が
上昇する。

血液中の(①カルシウム)イオン濃度が
高くなってくると

パラトルモンの分泌が抑制され
(①カルシウム)イオン濃度の上昇が
抑えられる。

ホルモン分泌調節にみられる
このような仕組みを
(③負)のフィードバックという。

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