『生物基礎』植生、相観、優占種 

この記事について』
この記事では、ごく手短に

・植生
・相観(そうかん)
・優占種

という3つの用語について、

用語の意味を理解しやすいよう、
私たちが日常生活の中で体験していることと
対応させながら解説しています。

★教科書の関連箇所★
【生物の多様性と生態系】
・啓林館:p.172
・実教出版:p.154
・数研出版:p.148~p.149
・第一学習社:p.146~p.147
・東京書籍:p.172、p.185

目次

1:植生

地球上には、
多様な植物が生育しています。

陸上において、
ある場所に生育している
植物の集まりのことを

植生(しょくせい)

といいます。

地球上には、
様々な植生が見られます。

例えば、
南米にあるアマゾン川の
周りに広がる熱帯の森林。

もっと小さなスケールでは、
川沿いの土手に見られる草原や、
野菜の植わった畑なども
植生の一例です。

こうした様々な植生は、
相観(そうかん)によって
大きく分類され、

優占種(ゆうせんしゅ)によって
さらに細かく分類されます。

専門用語が
2つも出てきて
難しそうですね。

でも、
相観と優占種による
植生の分類は、

私たちが日常生活の中で
難なく行っている事の
1つなのです。

では、各用語について
見ていきましょう。

まずは、相観から。

2:相観

相観(そうかん)
というのは、

外側から見た植生の様子

のことです。

例えば、
山などで、木々がうっそうと
はえている様子を見て、

「森だ。」と思ったり、

川沿いの土手に草がワサワサと
茂っている様子を見て、

「草むらだ。」と思ったり
するとき、

それは、植生を相観によって
区別していることになるのです。

宜しいでしょうか?

では、次に
優占種について
解説しましょう。

3:優占種

植生は、ふつう、
複数種の植物で構成されており、

植物の種類によって、
植生の中における個体数や
植生内で占める空間の割合が異なります。

植生を構成する植物の中で、

占有している空間が最も広く、
相観を特徴づける種
は、

優占種(ゆうせんしゅ)

と呼ばれます。

少し極端な例を挙げましょう。

下の2枚の写真を見て下さい。

ヒマワリ畑の写真 チューリップ畑の写真

左側の写真の植生では、
ヒマワリが優占種です。

右側の写真の植生では、
チューリップが優占種です。

もしあなたが、上の写真を見て、
『ヒマワリの畑だ。』、『チューリップの畑(花だん)だ。』
と思ったとしたら、

それは、優占種によって
植生を分類している
ことになるのです。

植生を優占種に
よって分類した場合、

一般に、
その優占種の名称を用いて
植生が表現されます。

例えば、
ある草原の植生の優占種が
ススキであれば、

ススキ草原、というように
表現するのです。

 

さて、今回の記事では、
植生が、相観と優占種によって
分類されていることを解説しました。

一見、難解そうな用語でも、
日常の経験と対応させると、
理解しやすかったのでは
ないでしょうか?

次回の記事(執筆中)では、
バイオームについて
解説しましょう。

では、最後に、
確認問題を解いてみましょう。

 

※:スマホ、タブレット端末でのご利用の方へ
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「おすすめ記事」
(【最重要】2021共通テスト『生物基礎』攻略法など)

の一覧も記載してあります。

 

→ 次の記事「『生物基礎』バイオームの覚え方のコツ:世界のバイオーム編」

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4:確認問題

以下の空欄に入る語句を答えなさい。

植生を外側から見た様子のことを
( ① )とよぶ。

植生は、( ① )によって、
( ② )、草原、荒原に大別される。

植生を構成する植物の中で、
占有している空間が最も広く、
( ① )を特徴づける種は、
( ③ )と呼ばれる。

・・・・・・・・・・・・・・・・
解答

植生を外側から見た様子のことを
(①:相観 )とよぶ。

植生は、( 相観 )によって、
(②:森林 )、草原、荒原に大別される。

植生を構成する植物の中で、
占有している空間が最も広く、
( 相観 )を特徴づける種は、
(③:優占種 )と呼ばれる。

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