ヤーコンとは? ~栽培、食べ方、茶の自作~
ヤーコンは、
キク科に属する植物の一種です。(下図)
秋になると、ヒマワリに似た
小さな花をつけます。(下図)
原産地は南米のアンデス地方で、
今から2000年以上も昔から
栽培・利用されてきたと言われています。
ふ~ん。あのサツマイモの
ようなものは何なの?
ヤーコンは、
キク科に属する植物の一種です。(下図)
秋になると、ヒマワリに似た
小さな花をつけます。(下図)
原産地は南米のアンデス地方で、
今から2000年以上も昔から
栽培・利用されてきたと言われています。
ふ~ん。あのサツマイモの
ようなものは何なの?
秋が深まったころに茎の根元を掘ってみると、
サツマイモに似たかたまりが見られます。(下図)
一般に、養分を蓄えて太った根のことを
塊根(かいこん)と呼びます。
サツマイモの様なかたまりは
ヤーコンの塊根で、食材として”ヤーコン”、
“ヤーコンのイモ”といった商品名で
販売されているのです。
そうなんだぁ!
ねぇねぇ、ヤーコンの塊根って、
どうやって食べるの?
※:アレルギー症状の事例が報告されています。
詳しくは、こちらのサイトをご覧下さい。
「健康食品」の安全性・有効性情報〔国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所〕 (nibiohn.go.jp)
ヤーコンのイモ(塊根)を持ってきたよ~!
どうやって食べるの?
食べる上で、知っておいた方が
よいことが2つあります。
1つは、ヤーコンのイモを食べると、
人によっては、お腹がゴロゴロして
トイレに行きたくなる場合があるということ。
個人差がありますが、私の場合は、
こぶし大のヤーコンを生で食べたあとで、
お腹がゴロゴロした経験があります。
うぅ、食べ過ぎに
気を付けよう。。。
もう1つは、ヤーコンのイモは、
収穫直後よりも1~3週間保存した後のほうが、
より甘みが増す性質があるということ。
ただし、保存する期間が長いほど、
フラクトオリゴ糖という成分が
減少すると言われています。
保存方法は、後に解説します。
洗って皮をむきます。
その後は、生で食べる・油でいためる・天ぷらにする等、
色々な食べ方があります。
皮のむき方にポイントがあるので
解説しましょう。
ヤーコンのイモには、
一番外側の分厚い茶色の皮と
そのすぐ内側の半透明の薄い層があります。
ヤーコンのイモには
独特の風味(ショウガのような、山菜のウドのような風味)
があります。
この風味は、半透明の薄い層を
食べると特に強く感じられます。
皮のむき方には、
・分厚い皮と薄い層の両方を
取り除く方法
・分厚い皮だけを取り除く方法
があります。
分厚い皮と薄い層の両方を取り除く場合は、
包丁で皮をむいて下さい。
サツマイモの皮をむくイメージで行うと、
自然に薄い層も取り除かれます。(下図)
分厚い皮だけを取り除く場合、
皮がぬれた状態で、柔らかめのタワシや
硬めのスポンジでこすって下さい。
すると、透き通った内部が見えてきます。(下図)
※:薄い層が紫がかっていることもあります。
イモが乾燥して、表面がシワシワの場合は、
こすっても分厚い皮が取れないことがあります。
その場合は、薄い層はあきらめて
包丁で皮をむいて下さい。
なお、半分に切ってみると
内部の見た目はナシに似ています。(下図)
生のままかじると、口の中で水が
ジュワっとしみ出るみずみずしさがあります。
人によっては、クセになる食感でしょう。
もぐもぐ。しゃきしゃき。
かみ心地も、ナシに似てるなぁ!
熱をとおす場合は、炒めたり、
天ぷらにするなどの食べ方があります。
苦手でなければ、ココナッツオイルで
炒めるのもおススメです。
※:栽培の結果は、ヤーコンの種イモの性質、
栽培環境の違い等によって異なります。
・4月~5月:畑の準備。
植え付け。
・7月~9月:必要ならば水やり。
・11月後半~:収穫。
・ヤーコンの種イモ(または苗)
・堆肥
・有機化成肥料
よ~し、食べずに残しておいた
イモを植えるぞぉ!
ちょっと待った!
食用として販売されているイモ(塊根)を
植えても芽は出ません。(下図)
ヤーコンはこんな野菜で見た、
茎の根元の写真をもう一度見てみましょう。
何か妙なものがありませんか?(下図)
あれ、
ナゾの紫色のコブがある。
おお、よく気が付きましたね!
一般に、養分を蓄えて太った”茎”のことを
塊茎(かいけい)と呼びます。
紫色のコブは、ヤーコンの塊茎なのです。
そして、塊”茎”を植え付けると
そこから芽が出て育つのです。
このため、塊茎は
ヤーコンの”種イモ”という名前で
販売もされています。
初めてヤーコンを栽培は、
種イモ(塊茎)か、あるいは、
種イモから芽を出させてある苗を
入手することから始めます。
なお、日本で一般に栽培されているヤーコンには、
・ペルーA
・サラダオトメ
・サラダオカメ
・アンデスの雪
・アンデスの乙女
の5品種があります。
(2021年12月現在)
ペルーAには、その他の品種に比べて、
食用とするイモ(塊根)に割れが入りやすい
という特徴があります。(下図)
ヤーコンは、
土の過湿に弱い野菜です。
できれば、雨がふっても
水たまりができにくい(できてもすぐに無くなる)
水はけのよい植え場所を選びましょう。
水たまりが出来やすい
水はけの悪い畑の場合は、
後に解説する対策を行います。
植える場所を決めたら、
種イモの植え付け予定日(霜が降りなくなる頃に設定)の
1~2週間前に、畑1m2あたり、
・完熟の牛糞堆肥2kg
・有機化成肥料100g
をまいて、土とよくまぜておきます。
植える間隔は、株間50センチ、
列と列との間隔は1m程度にします。
(下図:↓は植える位置を示す)
水はけのよい畑では、
10センチ程度の深さの穴を掘って
種イモ(または苗)を置き、土をかぶせます。
土が乾き気味の場合は、
植えたら水をたっぷりかけておきましょう。
水はけの悪い畑では、まずは、
高さ20センチ程度の
高い畝(高い土の山)をつくります。(下図)
畝の中腹あたりの深さになるように
穴を掘って種イモ(または苗)を置き、
土をかぶせます。(下図)
この時、土が乾燥している場合は、
水をたっぷりかけておきましょう。
種イモの位置が高いから、
大雨で畝のまわりに
水たまりができても平気だね!
順調に成長を始めると
こんな様子になります。(高い畝を作って栽培)
畑の準備で解説した堆肥と有機化成肥料を
与えていれば、特に必要ありません。
ヤーコンは、夏の乾燥と高温にも弱い野菜です。
このため、梅雨明け後に、雨が少なく、
気温の高い日が続くと葉がしおれることがあります。
この状態が続くと収穫量が落ちたり、
最悪の場合、枯れてしまうこともあります。
土を掘ってみて、カラカラに
乾燥しているようであれば、
ヤーコンの株まわりに水をたっぷり与えて下さい。
食用のイモ(塊根)の収穫の目安は、
秋に霜が降り始める11月終わりから
12月のはじめ頃です。
(下図:収穫開始期のヤーコン)
温暖地(関東平野部など)では、食用となるイモ(塊根)が土に
しっかり埋まっていれば凍って腐敗する可能性が低く、
翌年の1月~2月の収穫も可能です。
一般に、収穫時期が後になるほど、
塊根に大きな割れが入る可能性が高くなります。
特に割れやすいペルーAでは注意が必要です。
塊根は、ポリ袋などに入れ、
凍結しない程度の冷暗所(冷蔵庫も可)で保存します。
ポリ袋内で結露が生じた場合、
そのままにすると腐ることがありますので、
定期的に様子を確認しましょう。
食用とするイモ(塊根)を取った後には、
紫色のコブ(塊茎)が残ります。(下図)
塊茎を保存しておけば、
種イモとして利用することが出来ます。
温暖地では、以下のように
地中で保存するのが理想的です。
地面に穴を掘り、
先ほどの写真のような塊茎のかたまりを、
そのまま穴に入れて埋めます。
植え付け時期が来たら、
植え付け予定日の3日ほど前に、
保存場所から塊茎を掘り起こして
種イモとして切り分けます。
種イモ1個の重さが20gくらい、
大きさにすると卓球の球より少し大きいくらいに
なるように切り分けます。(下図)
切ったら、風通しのよい日陰で干し、
切り口を乾かします。
その後、種イモとして植え付けます。
ヤーコンの生の葉が入手できる場合は、
それを原料にしたヤーコン茶を
自作することが出来ます。
え、一体どんな味がするの?
ん~、独特ですね~。
なんとなくウーロン茶に似ているような
気もします。ほどよく苦みがあります。
う~ん、苦みは苦手だけど、
一度作ってみようかな。。。
では、作り方の1例を紹介しましょう!
作り方
①11月後半~12月頃に葉を採取します。
霜が何度か降りると葉が枯れますので
その前に採取します。
ヤーコンの葉は、
茎の同じ位置から2枚ずつ出ます。(下図)
茎の上の方の葉ほど、より新しい葉です。
我が家では最上段、2段目、3段目までの葉のうち、
大きな葉を、茎についたまま採取しています。(下図)
例えば、下の写真では
最上段の葉がとても小さいので
切り落としてしまいますが、、、
2段目と3段目の葉は
大きいので茎ごと採取します。
なお、上の写真の葉は赤茶色になっていますが、
触ってみるとみずみずしく
まだ枯れているわけではありません。
②採取した葉を沸騰したお湯に
10秒つけて取り出します。
③風通しのよい場所に干して、
カラカラに乾燥させます。
天気が良ければ2日ほどで
乾燥します。
葉を茎につけたまま採取したのは、
逆さのV字のようにしてヒモにかけやすいからです。
風が強い場合は、洗濯ばさみ等で
葉の付け根とヒモをとめておきます。(下図)
乾燥した葉をヒモからとり外します。(下図)
④乾燥した葉を手で軽くもみ、
葉を崩します。
ベリベリ!パリパリ!
よく崩れるね!
もみ過ぎると粉のように
なってしまうので気を付けましょう。
葉を崩し終わると、細い枝のようなものが
多少残りますが、除去しても、
そのままにしても構いません。
⑤フライパンにアルミホイルをひき、
崩した葉をのせます。(下図)
中火で数分間、煎ります。
あ、けむり出た。
こげてますよ。
ゆっくりと全体をかき混ぜながら煎って下さい。
煎る程度は、
お好みに応じて調整します。
下図は一例で、
少し茶色くなる程度に煎っています。
煎った葉は、小分けにして市販の
ティーパックに入れてもよいでしょう。(下図)
ポットのお湯を注いで3~5分待ちます。
長くおくほど、苦みが増しますので、
苦みの好みに応じて待ち時間を変えて下さい。
よーし、
飲んでみるぞぉ! ゴクリ。。。
うお!?
・・・。
※:飲み過ぎに、ご注意下さい。
「ヤーコンの事をもっとよく知りたい」
「成分や機能性についての正確な情報が欲しい」
「ヤーコンの収穫量を増やしたい」
という方には、
”ヤーコン―健康効果と栽培・加工・料理”
という本が、大変おススメです。
長年、ヤーコンを専門に
研究されている方々によって執筆され、
・ヤーコンの品種
・含まれる成分の機能性
・育て方
・食べ方
が、とても詳しく、また、
専門的な知識がなくても
十分に理解できるように、
易しめの言葉で
解説されています。
絵や写真の他、
成分や機能性の研究結果のグラフが
豊富に記載され、
シンプルに分かりやすく
提示されています。
ヤーコンについて、
しっかり学びたい人にとって、
必携の1冊です。
↓↓↓