『生物基礎』アレルギー
目次
1:アレルギー、アレルゲン
アレルギーというのは、
異物に対する免疫反応が過敏に起こり、
体にとって不都合な影響を与えること
です。
具体的なアレルギーの名称として、
花粉症を覚えておきましょう。
アレルギーの原因となる
物質のことを、
アレルゲン
といいます。
アレルゲンとなる
可能性がある物質として、
花粉、ハチの毒、食品(卵やピーナッツなど)
などがあります。
ある物質がアレルゲンであるかどうかは、
人によって異なります。
具体例として、
代表的なアレルギーの1つである、
スギ花粉症を取り上げてみましょう。
日本では、毎年2月~3月頃に、
スギ花粉と呼ばれる微粒子が
空気中をフワフワと漂います。
スギ花粉は、
スギ花粉症を発症している
人にとってはアレルゲンであり、
くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、
さらには、頭痛や発熱など、
体にとって不都合な、
様々な症状を引き起こします。
症状がひどいと、
机の上にティッシュボックスを配備。
勉強どころでは
無くなることもありますね。
一方で、
スギ花粉症を発症していない
人にとっては、
スギ花粉はアレルゲンではなく、
くしゃみなどの症状は見られないのです。
2:アレルギーの症状が出る仕組み
最も一般的な仕組みは、
アレルゲンに対する抗原抗体反応が起こる
ことに伴って、アレルギーの症状が出る
というものです。
抗原抗体反応について、
簡単に説明しましょう。
ヒトの体内には、
体内に侵入した異物を
排除する働きをもつ
抗体産生(さんせい)細胞という
細胞が存在します(下図)。
侵入した異物のうち、
抗体産生細胞による排除の対象となったものは、
抗原とよばれます(下図)。
抗体産生細胞は、抗原に対して
抗体という物質を沢山放出します(下図)。
すると、
抗体が抗原に結合するのです。
抗体と抗原が結合することを、
抗原抗体反応と言います(下図)。
抗原抗体反応は、
異物を排除することに
つながる反応ですが、
アレルギーにおいては、
アレルゲンに対する
抗原抗体反応に伴って、
アレルギーの症状も
引き起こされているのです。
※:抗原抗体反応を含む
免疫の仕組みに関しては、
「免疫、物理的・化学的防御を短期マスター」
でより詳しく解説しています。
3:アナフィラキシーショック
全身的に起こる
急激なアレルギー反応のことを、
アナフィラキシー
といいます。
アナフィラキシーが生じると、
血圧低下や呼吸困難など、生死にかかわる重い症状
が出ることがあります。
この症状のことを、
アナフィラキシーショック
といいます。
食品、ハチ毒などは、
アナフィラキシーショックを
引き起こすことがあり、
人によっては、注意が必要です。
例えば、
コンビニで売っている袋詰めのパンでは、
原材料に含まれるアレルギー物質が
袋に明記されています。
一方、ハチ毒の場合、
以前、ハチに刺されたことのある人が、
再度、同じ種類のハチに刺された場合に、
アナフィラキシーショックを
引き起こす可能性があり、
個人個人で注意することが必要なのです。
4:最重要語句のまとめ(確認問題)
空欄に当てはまる語句を答えなさい。
アレルギーの原因となる
物質のことを( ① )という。
アレルギーの症状(くしゃみなど)は、
一般的には、( ① )に対する
( ② )反応が起きることで生じる。
食品やハチ毒などが原因となって、
全身的に急激なアレルギー反応が生じ、
血圧低下など、命にかからる重篤な症状が
出ることがある。
このような症状のことを、
( ③ )ショックという。
解答
アレルギーの原因となる
物質のことを(①:アレルゲン)という。
アレルギーの症状(くしゃみなど)は、
一般的には、(①:アレルゲン)に対する
(②:抗原抗体)反応が起きることで生じる。
食品やハチ毒などが原因となって、
全身的に急激なアレルギー反応が生じ、
血圧低下など、命にかからる重篤な症状が
出ることがある。
このような症状のことを、
(③:アナフィラキシー)ショックという。
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