『生物基礎』血糖値調節②:血糖値(血糖濃度)を下げるホルモン

『この記事について』
この記事では、
「血糖値調節①:血糖値(血糖濃度)、血糖値を調節する器官」
の続きとして、

・血糖値(血糖濃度)を下げる働きをもつ
 インスリンというホルモン

・血糖値と血中インスリン濃度のグラフ

について解説しています。
mokujki

1:血糖値(血糖濃度)を下げる仕組み

1-1. インスリン分泌量の増加

すい臓のランゲルハンス島にある
B細胞からは、

常に、インスリンというホルモンが
分泌されています(下図)。

B細胞からのインスリン分泌

インスリンには、
血糖値を下げる働きがあります。

現時点で確認されている、
人体において血糖値を下げる
働きをもつホルモンは、

インスリンのみです。

食事などで血糖値が上昇すると
以下の2つの仕組みが
働くことによって

B細胞からの
インスリン分泌量が
増加します。

まず働くのは、

B細胞自身が
血糖値の上昇を感知して

インスリンの分泌量を増やす

という仕組みです(下図)。

血糖値上昇時のインスリン分泌量増加

この仕組みに加えて
さらに、

間脳の視床下部が
血糖値の上昇を感知(※)して
※視床下部にある血糖調節中枢
という部位が感知

副交感神経を通じて
すい臓に働きかけることで
B細胞でのインスリン分泌を促す

とういう仕組みが
働きます(下図)。

副交感神経によるすい臓への作用

目次に戻れるボタン

1-2. インスリンの作用

これらの仕組みによって
分泌量が増加したインスリンは、
主に

①肝臓 ②筋肉 ③脂肪組織

に作用することで
血糖値を低下させます。

1つずつ説明しましょう。

①肝臓への作用

肝臓の細胞は常に
血液中のグルコースを
細胞内に取り込んでいます(下図)。

肝臓の細胞へのグルコースの取り込み

血糖値が上昇すると
肝臓の細胞内へのグルコースの
とり込み量が増えます(下図)。

血糖値上昇時のグルコース取り込み増加

この時、インスリンが作用すると
細胞内の
グルコースからグリコーゲンを
合成する反応が促進
されるのです(下図)。

インスリンによるグリコーゲン合成促進

細胞内のグルコースが
グリコーゲンに変えられることで

細胞内へのグルコースの
活発な取り込みが
継続して行われます。

②筋肉への作用

筋肉の細胞では
インスリンの作用によって

細胞内への
グルコースの取り込みと

細胞内のグルコースから
グリコーゲンを合成する反応が
促進
されます(下図)。

インスリンによるグルコース取り込みとグリコーゲン合成の促進

③脂肪組織への作用

脂肪組織の細胞では
インスリンの作用によって

細胞内への
グルコースの取り込みと

細胞内のグルコースを
脂肪へ変換する反応が

促進されます(下図)。

インスリンによるグルコース取り込みと脂肪への変換促進

 

なお、
作られたグリコーゲンや脂肪は
細胞の中に貯蔵され

血糖値が低下した際などに
利用されます。

以上の3つが
インスリンの主な働きです。

インスリンは、また、
これらに加えて

細胞での呼吸(細胞呼吸)を促進して
細胞内にあるグルコースの消費を促す
働きもしています。

インスリンの
これらの働きの結果、

上昇した血糖値がもとの
100 mg/100mL 付近に
戻るのです。

血糖値が下がると同時に
B細胞からのインスリン分泌量も
低下して、元の分泌量に戻っていきます。

目次に戻れるボタン

2:血糖値とインスリン濃度のグラフ

では最後に、

健常者の食後の血糖値と
インスリン濃度の変化を1時間ごとに
測定した結果のグラフを見て

変化の様子を
確認してみましょう。

まずは、グラフの
軸の説明をします。

下図の上下2つのグラフの
横軸は時間を示し、

食事をした時点と、その後の
1時間後、2時間後、3時間後の
時点を矢印で示してあります(下図赤枠内)。

横軸の図

上側のグラフの
縦軸は血糖値(単位:mg/100mL)を示し、

横軸と平行に引かれた点線は、
血糖値100 mg/100mLの位置を
示したものです(下図赤枠内)。

血糖値グラフ縦軸の点線

下側のグラフの
縦軸はインスリン濃度を示します。

では、
測定結果のグラフを
見てみましょう。

すると、食事の直後は
血糖値とインスリン濃度が
急上昇している事がわかります(下図赤枠枠)。

食事直後の血糖値とインスリン濃度変化

その後、時間が経過するにつれて
血糖値は100 mg/100mL付近に戻り
インスリン濃度も元の濃度に
戻っていくことが確認できます(下図赤枠内)。

血糖値とインスリン濃度が元の値に戻っていく

インスリンの働きの結果
このように血糖値が順調に
低下していくのです。

この記事の解説は、以上です。

※:スマホ、タブレット端末でのご利用の方へ
記事最下部には、

「おすすめ記事」
(【最重要】2021共通テスト『生物基礎』攻略法など)

の一覧も記載してあります。

 

続きの記事

⇒ 「血糖値調節③:血糖値(血糖濃度)を上げる仕組み」
⇒ 「糖尿病」

目次に戻れるボタン

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です